それぞれの苦悩・それぞれの言い分

誰にも言えず悩むこと。これほどつらいことはない。

口に出したら終わり、自分への信頼が崩れてしまうかもしれない。そんな恐れの中で過ごす日々とは。

「信頼関係が築けている相手なら、きっとわかってもらえる」、果たして本当にそうだろうか。当たり前のものとして育まれてきた価値観を簡単に変えられるものだろうか。

どんなに努力しても、変えられないものもある。既存の価値観を疑わない人たちで形成されたコミュニティにおいて、その価値観はますます強固なものになるだろう。

そんな中で、言えるだろうか。

勇気を出して自分の思いを伝えたとき、その覚悟はどれほどのものだっただろうか。

 

言ってはいけないことを一人で抱えることはできるだろうか。知ってしまったがゆえに、これまで当たり前に過ごしてきた時間が変質してしまうことはないだろうか。今までと同じように楽しめるだろうか。孤独で耐えることは簡単ではない。

 

それぞれどんな思いを抱えていたか。自分たちが置かれた環境、さらに大きなコミュニティでどのような価値観が共有されているか。

関係が崩れたとき、うまく着地させるにはどうすべきなのか。

さまざまな角度から見る。考え得る可能性すべてを検討する。

「要するに、○○ってことでしょ」

そうやって答えを決めつけてはいけない。固定された前提から見い出せる希望はあまりにも少ない。


(作成時間:13分)