感動の声にモヤモヤ『もしも悩みがなかったら』感想/水野敬也・鉄拳(著)

『もしも悩みがなかったら』(水野敬也・鉄拳)の率直な感想を書く。

Amazonレビューや読書メーター見てたら、自分と同じような感想が見つからなかったので、一応メモしておこうと思い立った。

「感動した!」「グッときた」的な感想に???となったので、そのあたりのモヤモヤを消化する目的。

 

よかったところ

  • 読みやすい
  • わかりやすい
  • 10分くらいで読める
  • メッセージが入ってきやすい
  • 精神論ではなく、具体的な対処法が示されているのが良い(特に前半)
  • 最後に登場する子供の悩美ちゃんが可愛い

うーん…なところ

  • 死を考えるほどに追い詰められた理由が何か描かれていないので、「なぜ?」で頭がいっぱいになったまま物語がスタート、もやもや
  • 睡眠薬?の大量摂取で自殺を図るというのがちょっと安易すぎるような(死に至る危険な薬をボトルで持ってるってどういうこと?精神科には通院していたの?通院していなかったのだとしたら、市販の薬で死ねるようなものある?大量に飲めば死ぬのか?首吊りの方が疑問は感じにくかったかも)
  • 悩みが大きくなると悩美さんはデブっちょになるわけだけど、悩みを小さくするために主人公は「もっと痩せたらキレイになるんじゃないかと思って」的なことを言う。痩せる=美しいという価値観には賛同しかねる。まぁ、悩美さんが喜ぶことを理解した上で言ってる!と言われれば、そうですかって感じなんだけど。実際、痩せてキレイになるってのは事実でもあるし
  • 主人公が悩美さんを恋愛対象範囲内として見ているような描写はイマイチだった。なぜそう感じるかはわからない。悩みの擬人化を受け入れられていないからかもしれない。私の頭が固いのかもしれない。悩みにそんな感情を抱くなんて!みたいな。ただの好みの問題か
  • 悩みが毎日ゴハン作ってくれるとか最高かよ!とイラついた(八つ当たり)
  • 最後の赤飯も「へぇ~」って感じで、物語の設定に入りきれなかった感じ
  • 絵で魅せる場面なのに、本の真ん中でぶち切れて見えにくくなっていたのが残念。せっかく素敵な絵なのにもったいない。電子書籍だとキレイに見られそう

 

とりあえず思いつくのはこんなところかなぁ。

水野敬也さん好きなので、ちょっと期待しすぎたかな。

ブログと書籍はまた違うのか。

ドン小西のファッション企画に、赤いダウンジャケットを切り裂いて作ったびんぼっちゃまスタイルで参加した頃から応援しています(私なりのマウント)。

最近の著作を全部読んでるわけじゃないから、ファンとは言えないんだけど。

今作については、万人向けで、感動の声がたくさん! という結果を見れば大成功なのかな。

ただ、自殺企図の描写と「痩せ=キレイ」については気になったなぁ。